パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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畜産の危機

震災から4か月以上が経ち、原発施設の問題は以前ほど騒がれなくなった。安定化しつつあるのか?それさえも報道されないように思う。

連日報道されるのは、セシウムに汚染された粗飼料(稲わらなど)を与えられた家畜の内部被ばく問題である。セシウムが基準値を超えて検出されたところでは出荷停止措置がとられている。また、これに伴う風評被害も広がっている。ネットでのニュースでは17道県で風評被害認定とのこと。全国的にみても牛肉を控えるような傾向がみられており、枝肉相場が暴落している。ネット上では豚肉からも検出されたとの記事をみた。

国は震災直後に生産者に対し通達を出したようだ。しかし、震災直後の混乱した中でどれだけの生産者がこの通達を認識できたのか?もう少し、国、県、農業団体などがその後もアナウンスすべきではなかったのだろうか?お役所的というか、他人事というか・・・、

昨年の口蹄疫で大打撃を受けた本県の事情を少し紹介しておきます。児湯地区は一部を除き家畜が処分されてしまいました。少しずつ再開は進んでいますが、まだ半分程度でしょうか。頭数ベースではおそらく5割にも満たないのではないかと思います。
県内でも児湯地区以外は一部を除き処分されることなく飼育が継続されています。

大きな問題を抱えるのはこの児湯地区以外の地域です。この地域は口蹄疫発生期間中、数か月にわたり子牛を生ませるための人工授精業務が停止されました。当然、この数か月間は妊娠する牛が1頭もいないわけです。県内の場合、9か月から12か月でセリに出荷されますので、今年の年末からセリに出荷される子牛がほとんどいなくなるということになります。
児湯地区以外の方は、口蹄疫期間中人工授精も受けられず、牛の出荷もできず収入が途絶え、借り入れをしてなんとか食いつないだ農家も多かったと思います。口蹄疫が終息し少しずつ回復したところで、ユッケ事件、追い打ちをかけるようにセシウム汚染。枝肉価格は暴落しています。児湯地区以外のところでは上記の人工授精を停止させられた補償もありません。

基幹産業といわれる農業ですが、補助金をばらまくだけではなく足腰の強い農業を作り出す政策を打ち出してほしいものです。
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by pathovets | 2011-08-03 12:14 | トピック | Comments(0)