パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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カテゴリ:口蹄疫( 43 )

終息宣言から3年

口蹄疫の終息から3年が経過しました。
この3年で口蹄疫の真相はどれくらい明らかにされたのかを考えると「皆無」に等しいのではないか。
一方で、原因はいいからとにかく「農家はちゃんと消毒しなさい」と言う雰囲気だけのように感じます。
空港のマットは乾燥していることが多いと感じるのは私だけでしょうか?勉強会等で飛行機で県外に行く際は必ずマットの濡れ具合を手で触ってみます。私が触るときだけ偶然乾燥しているのでしょうか?
農家の中で消毒や衛生管理に対する温度差があるのは事実です。
国はもう少し本気で防疫に取り組んだ方がよいのではないでしょうか。原発事故で何でもかんでも東電に責任を押し付けているのと同じような気がします。
県の口蹄疫復興基金の使い方、本当にこれでいいのでしょうか?
真相も明らかにしないままセレモニーやイベント、何かにつけて「復興、復興・・・」の掛け声、本当にこれでいいのでしょうか?

「これで いいのだ!」

とは言えないはずです。
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by pathovets | 2013-08-28 21:10 | 口蹄疫 | Comments(1)

明日で3年

あの忌まわしい口蹄疫の発生確認から明日で3年が経ちます。
今でも長時間の手術の最中には右手が痛んでくることがあります。
あの時小学校1年生だった子供たちも今年で4年生となった。昨日、夕食時に子供が
「20日は口蹄疫が出た日じゃね!」
と言い出しました。突然、そんなんことを言いだしたのでびっくりしました。当時は、毎日殺処分で肉体的にも精神的にも疲労で家族と会話することもなく現場から戻ってきたら風呂に入って夕飯を食べて寝る・・・という生活でしたので子供との会話もほとんどありませんでした。当時は小学校1年生で状況など理解できていないだろうと勝手に思い込んでいましたが、最近になり子供たちと当時のことを話し合うと1年生といえども非常に多面的に考え、当時の異様な周囲の状況を感じ取っていたようでした。
私は今でも往診の最中に
「この農場のあの場所に牛をつないで殺処分していったな」
「この農場の処分の日は雨だったな、暑くて休憩であそこに座って水分をとったな」
「この農場は暗くなるまでやったな」・・・・・・・
当時の情景がはっきり思い出されます。
畜産の状況は上向きとは言えず、経営再開した農家の戸数を見ても今の経済状況のが厳さ再開のハードルが高すぎることを物語っています。ここ数日の地元紙には口蹄疫に関する記事が多くなってきました。
あれから3年何が変わったのか?何が改善されたのか?これからどう進んでいけばよいのか?じっくり考えてみたい。
それからあの時に全国から寄せられた義援金がどのように使われたのか、残った義援金はどのような管理をされているのかについても公開していただけるとよいのではないだろうか。
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by pathovets | 2013-04-19 17:11 | 口蹄疫 | Comments(4)

口蹄疫の影響 ~~~いま~~~

口蹄疫発生から2年が経過し、世間的にはすっかり忘れられてしまった感があります。
東日本大震災ですら最近はあまり話題にもならなくなったように思いますので、口蹄疫についてはなおさらのことだと思います。

農家の再開も6割どまり、頭数ベースでは6割にも満たないと思います。口蹄疫終息後、私は5~6割くらいの再開と見込んでいたのでやっぱりかという感じです。あの当時、8割近くの再開を予想していた団体もありましたが・・・。予想が的中したとはいえ、現実問題としては厳しいものです。1日数件あるいは日によっては往診の依頼のない日もあります。

先日、医療機器メーカーのディーラーの方が病院に来られ、現況を聞かれました。農家戸数と家畜頭数が激減したことで獣医の仕事が減り、薬の購入量が減り、新たな機器の導入を控える・・・これによって医療機器メーカーも動物薬ディーラーも大打撃を受けて経営が大変みたいです。

農業や漁業などの一次産業が盛んな地域ではこれらが衰退することで町の工商すべてに影響を与えることを目の当たりにしました。

一次産業の衰退がここまで広範囲な業種に影響を及ぼすことまでは全く予想できませんでした。単なる予算や補助金のばら撒きでは根本的な解決にはならないな~~~としみじみ感じました。
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by pathovets | 2012-05-28 21:38 | 口蹄疫 | Comments(0)

もうすぐ2年

2年前の今頃は目に見ぬ口蹄疫ウイルスが蔓延していた時期です。真実は語られぬままのようですが・・・。

経営再開した農家は約半数。農家の方も畜産に関わる我々も収入の激減で大変な日々です。そのような中でも、生産者は衛生管理を徹底しています。現場を知らない「専門家の先生方」からすればあれも不備、これも不備と言われるかもしれませんが・・・

そもそも島国である日本、空港や港湾での水際対策がどれほど重要で有益か容易に想像できます。しかし、日本の場合は末端の生産者にあらゆる対策を求めすぎるように感じます。もう少し国レベルでの防疫をしっかりしてほしいとおもいます。

地元の生産者は本当にしっかり衛生管理をしています。これがあまり県外の方には理解されていないようです。先日、山羊を譲っていただこうと思い県外の方に打診しました。「宮崎」には譲れないという返事でした。非常に残念でたまりませんでした。
口蹄疫で偶蹄類がいなくなったこの地域、経営が再開されても農場に簡単に立ち入ることもできなくなりました。これまで学校や保育所の子供たちが牛を見に近くの農場に出かけたりして触れ合う機会がいくらでもありました。しかし、口蹄疫以降、それもできなくなりました。ペットとして山羊を飼いはじめた人も見ません。子供たちにとっても影響が大きいことを改めて感じました。
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by pathovets | 2012-04-03 22:59 | 口蹄疫 | Comments(2)

親睦会

先週の土曜日に高鍋町にあるイタリアンの「俵」で親睦会がありました。
これは作家の「飯田辰彦」さんが口蹄疫の後、畜産関係者を中心に綿密な取材をされ

「鉱脈社」から「口蹄疫を語り継ぐ」という本を出版されました。

この本の取材で私もお世話になり、校正段階から出版されたら関係者みんなで顔を合わせることができたらいいねという声で今回の親睦会となりました。

同じ町内で初対面の方、隣町で名前は知っていたけど・・・、宮崎牛の語り部ともいうべき方・・・約30名が集まりました。口蹄疫時のそれぞれの立場で何を考え、どう行動したのか、お酒も入りそれぞれが当時を回想し今後の展望を熱く語りました。

この日は、牛と豚の生産者から手塩に育てた牛肉と豚肉、発酵微生物の会社の社長から自社の製品を与えた鶏肉がそれぞれ提供され「おいしいイタリア料理」になり参加者の胃袋を満足させました。

楽しい時間もあっという間に4-5時間過ぎ、是非この会を継続したいね!ということでお開きとなりました。
現在の児湯地区の畜産再開率は非常に低く、これ以上の再開もあまり望めない状況です。しかし、この会に参加されていた生産者の皆さんには希望が満ち溢れていました。

上記の本に興味のある方は是非手に取ってみてください。
タイトル:口蹄疫を語り継ぐ
著者:飯田辰彦
出版社:鉱脈社
定価:1500円
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by pathovets | 2012-02-08 19:01 | 口蹄疫 | Comments(1)

牛の導入が増えない

昨日、ある牛の生産者の方と立ち話をしました。

生産者: ”ま~、アンケートばっかり、どこそこから”・・・
 私: 何の?
生産者: なんで経営再開が進まないか?

確かに牛も豚も経営再開がすすんでいません(行政やJAが口蹄疫終息後に見込んだほど)。
私は、よくて7割、6割戻ればいいほうだと推測していました。

確かに、口蹄疫が終息した直後は韓国などの周辺国での口蹄疫が広がりを見せていたことや、再発の恐れにより経営再開に躊躇した方もたくさんいたと思います。そうこうしているうちに輸入穀物の高騰、震災・・・。

結論としては長年かけて自立心のない、体力のない畜産業(農業)にしてしまった国の責任ではないだろうか?

補助金や補助事業を餌に生かさず殺さず巧みに利用し、選挙の際には票集めに利用。
こんなに補助金や補助事業がある職種がほかにあるのか?と思ってしまう。
以前から、自分の仕事に対する正当な評価(収入)を得るため、JAなどを頼らずに自ら販売ルートを確立している同級生もいる。みんなができることではないが、自立する心構えはどんなことに対しても必要で大切なことだと思う。

県が多額のお金を口蹄疫復興基金として蓄えているが、何にどういう形で使われるのかしっかり見届けたい。

大規模優遇の政策ではなく小規模農家を生かす政策が必要ではないか!
政治家のみなさんがこのブログを見ているかどうかわかりませんが、体力があり、自立心があり、夢のある農業政策をお願いします。
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by PATHOVETS | 2011-10-14 11:59 | 口蹄疫 | Comments(6)

畜産再開なかなか進まず

昨年の悪夢のような口蹄疫の殺処分から1年が過ぎました。殺処分終了直後にはあるアンケートで8割の農家が再開の意思を示していました。

しかし、1年を過ぎた今どのくらいの生産者が再開したのか?

児湯郡全体は把握していないが、私の住んでいる川南町は
牛では戸数で51%(頭数で25%)
豚では戸数で42%(頭数で9%)である。
これは5月末の集計だ。今は若干増えているかもしれない。

それにしても再開が進んでいない。今月1日に生産者を対象にパネルディスカッションが行われた。その中でなぜ再開が進まないのか?について行政・JA・獣医・生産者の立場から意見が出された。いくつかの要因が複雑に絡んでいるように思えた。再開を効率よく行っていくには一筋縄ではいかないだろう。

再開にあたって「病気のないクリーンな地域」を目指していくつかの取り組みが行われている。

豚では、早速その効果がでているようだ。

牛でも特定疾病を持たない地域作りを目指した取り組みが提唱されている。
あくまでも個人的な印象だが、生産者を置き去りにした行政からの対策提示のように思える。生産者の間でも混乱が見られている。

メリットとデメリットを十分に説明し、生産者が納得した形で取り組んでいただきたいと思う。
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by pathovets | 2011-07-11 19:00 | 口蹄疫 | Comments(0)

あれから1年

 あと数日で昨年の大惨事である口蹄疫から1年がたちます。とにかく早かった1年でした。東日本大震災ですっかり忘れ去られた感もありますが、様々な課題を残したまま復興も進まず今日を迎えました。

 この1年間畜産農家、行政、獣医師・・・何を考え過ごしたのでしょうか?

 それぞれに色々な思いの中、時間が過ぎたことと思います。
             その思いをどう活かしていくのか?
             今後の展望は?   

 なぜ、復興が進まないのか!
 よく聞かれるのが、「周辺諸国での口蹄疫の発生が復興を妨げている」というもの。しかし、畜産農家に聞くと必ずしもそうではない。

  再開のための資金不足
  後継者不足
  高齢化

 こんな声が良く聞こえてくる。

 一部ではあるが、ワクチンの使用方法(なぜマーカーワクチンを使用しているにもかかわらず殺処分を前提にしているのか)に納得ができないという意見も聞かれた。


これから農家の不安がどういう形で解消されるのか分からないが・・・、獣医師として出来ること、やらなければいけないことを淡々とやっていくほかないと思っている。
             
             
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by pathovets | 2011-04-14 19:17 | 口蹄疫 | Comments(4)

人の和(輪)

 昨日JA宮崎県青年部の研修会に参加させて頂きました。
園芸農家
畜産農家
JA関係者など約100名が会しての研修でした。

その中で「口蹄疫について」ということでお話させていただく時間を頂きました。口蹄疫の原因ウイルス、症状などの特徴、殺処分などの現場での体験、検証と復興などについてお話しました。また、家畜保健所のご協力により発症した家畜の写真も見ていただくことが出来ました。

講演の後、たくさんの方から色々な質問を受けました。畜産農家の方だけではなく園芸農家の方からもたくさん質問を頂きました。その多くは畜産関係者以外の一般住民がどのようなことに注意すれば良いかということでした。

今後、いろいろな公共施設等で常時消毒がなされると思います。そうして頂かなければならないと思っています。その時に一般の方がそこを避けて通るのではなくしっかりと活用して欲しいということです。
このような取り組みが必然的に行われ日常の生活に溶け込むようになって欲しいものだと思います。

行政関係者の方!
もし、私のブログを見ている方がおられましたら、せめて習慣化するまで行政がトップに立って消毒の徹底を呼びかけてください!
ある所に消毒指導の依頼をお願いしたら、無数にある公共機関にいちいち指導するのは・・・と言われましたが、この活動が根付くまでの当面の間だけでもお願いします!
とりあえずは電話1本あるいは文書1枚でも構いません。

研修会の後、懇親会が行われました。この席で多くの方と色々な話をしました。大変勉強になりました。
その中で「先生、ブログ見てますよ!最近、あんまり更新しませんね!」と話しかけてくれた方がいました。
西都市で園芸をされている方でした。
口蹄疫期間中、情報を探しているときにこのブログを見つけられたようです。その方もボランティアとして自分の仕事はそっちのけで消毒ポイントで消毒等の作業をされたそうです。何十人ものボランティア要員に声をかけ人員の確保等に大変苦労されたようでした。
人を集めるだけでも大変な上に、呼びかけるための電話代も相当な金額になったはずです。

こうした見えないところで、活動してくださった方が数え切れないほどいるんだろうな、と感じました。

私は、こういう方と直接会うことが出来たことに大変喜びを感じました。IT社会の中、メールやブログの中だけでやり取りをする事が多くなった昨今ですが、やはり会って言葉を交わすというのが一番です。

可能な限り口蹄疫でいろいろなところで活動された方と会って話ができたらと思いました。

人と人との和(輪)やつながりを感じることの出来たすばらしい1日でした。
硬い握手を交わして帰りました。
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by pathovets | 2010-11-12 14:14 | 口蹄疫 | Comments(3)

家畜導入が再開!

たくさんの方々のご支援とご協力を頂き、11月1日から家畜の導入が再開されました。ここ数日は、牛を積んだ運搬車両を良く見かけます。いままで牛を積んだトラックを見てもなんとも思わなかったことが当たり前の生活でした。
しかし、今回ばかりは一般住民も含め口々に

「牛だ!」

「牛を積んだトラックを見た!」

と興奮気味です。

この地域ではそれだけ家畜がいて当たり前の環境だったのだなと改めて感じました。

導入時期に賛否両論あります。
早く導入させて欲しい・・・
早すぎるのでは・・・・
私個人としては、もう少し待って欲しいというのが正直なところです。どこまで待てば安全が担保できるのかは誰にも分かりません。終息から1月後からでも安全かもしれません。逆に1年たたなければ安全とはいえないかもしれません。いろいろな状況を考慮して出された結果ですので尊重したいと思います。

もう二度とあの惨劇を繰り返さないためにも
「生産者の自己努力」

「獣医師も含めた関係組織の緊密な連携構築」
をしっかりやっていかなければと気持ちを引き締めているところです。
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by pathovets | 2010-11-04 10:56 | 口蹄疫 | Comments(0)