パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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豚の採血

口蹄疫以降、この地域ではクリーンな養豚を維持する試みがなされています。豚オーエスキー病とPRRSの陰性の個体だけを導入し、飼育するというものです。このため、導入後3週以降に採血し、再度検査しています。
恥ずかしい話ですが、口蹄疫前までは豚の採血はしたことがなく何をどうやるのかさえ分かりませんでした。家畜保健所の方々にずっとやってもらうのも気が引けたので、今年の夏ごろ家畜保健所の方に採血方法を教えていただきました。牛のように保定してじっとしているわけでもなく、血管が見えたり触れたりするわけでもなく・・・・、おまけに耳元で「ギー、ギー」と泣き叫ばれて大変でした。さすが家保の先生はほぼ一発で血管に針を刺していきます。私も教えてもらいながらなんとなくこのへんかな?と刺しますが、まったく採血できませんでした。首からも尻尾からも・・・

これではいかん!と、さっそく翌日、屠場にお願いして短い尻尾と長い尻尾をそれぞれ10本くらいずつわけてもらいました。病院ですべての尻尾を切り開いて血管の走行を確認し、血管の走行を確認できました。

「勉強」の甲斐あってうそのように尻尾からも首からも次々と採血できるようになりました。
何事も「勉強」が大事ですね!

明日も採血、頑張ろう!
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by pathovets | 2011-11-29 18:45 | 家畜 | Comments(0)

今年もやってきた狩猟シーズン

11月15日からハンターが待ちわびた狩猟が解禁されました。
これからの時期イノシシの牙やシカの角で負傷した猟犬たちが「続々」とやってきます。
皮膚だけを切られた犬、腹壁や胸壁を切られ内臓が脱出したり腸が切れたり、胸が切れて肺が見えるもの、心臓がバクバク鼓動しているのが見えるものなど様々です。こんな大けがの時は、大概複数の犬がけがをしてきます。イノシシやシカも命がけですから!
これからの時期、当院はER並みでどの犬を一番最初に手当するべきか順位を決めます。ほとんどが即手術となりますが、中には輸血したりショックの改善が先になる犬もいます。女房と2人しかいないのでこの時期だけでも助手がいたら・・・と思います。

複数頭の犬を手術するため、長いときは10時間以上立て続けに手術することがあります。

先日は朝3時半から犬の帝王切開の緊急手術、そのまま寝ずに午前中の外来を診察して午後一番で牛の難産、帰ってきたら猟犬が4匹けがをして来院。すぐに手術開始、
肋骨が折れて胸が開いてしまっている犬、
腹壁を切られて内臓が出かかっている犬、
全身10か所くらいを切られている犬、
肩の部分を大きく切られて皮膚が垂れ下がり筋肉が大きく断裂している犬。
6時間くらいかかりました。けがの割に早く終わりました。

長い・長い1日でした。あと数年もしたら自分の体力も落ち、こんな長時間の手術に自分が耐えられなくなるのでは・・・・と不安に思う今日この頃。
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by pathovets | 2011-11-22 11:48 | ペット | Comments(0)

ダニの寄生

朝晩めっきり寒さを感じるようになりました。
 南国宮崎も「冬」を感じます。

春から夏の温かい時期は、ノミやダニの活動も活発で頻繁に目にします。このため、飼い主さんも春から秋口にかけては外部寄生虫の駆虫を定期的あるいは目についたときにされます。

しかし、この時期になるとほとんどの方がもうダニも活動しないだろうと思い込み駆虫がおろそかになります。数日前から狩猟が解禁になりましたが猟犬をみると冬でもダニは活発に活動していることがよくわかります。当院は比較的猟犬の来院が多いため冬場のダニの寄生は頻繁に目にします。

まったく駆虫しない方、暖かい時期だけ駆虫される方は 「バベシア症」 に要注意です。これはダニの体内に潜む病原体がダニが動物へ寄生し吸血する際に感染します。感染後は赤血球に感染し、破壊していきます。

顕著な症状は     「貧血」          です。

症状のひどいものは輸血が必要になったり、最悪の場合は死亡してしまいます。治療に使う薬も牛の薬を代替で使用することが一般的で重篤な副作用も報告されています。ダニがいないような都市部や外部寄生虫の啓蒙が進んでいるところではほとんど見られなくなった珍しい病気だと思いますが、残念ながら私の啓蒙不足もあり私の病院では年間相当数経験します。

近年はダニ駆除剤も様々な種類が販売されていますので、飼い主さんももう少し予防に心がけてください。
私ももう少し一生懸命啓蒙していきます!
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by pathovets | 2011-11-16 17:58 | ペット | Comments(0)

交通事故が続きました

ここ数週間、交通事故で来院する症例が多かったです。
ちょっとした外傷程度のものから重度の骨折や意識障害・・・
どの子も小型犬でした。小さい分、運転者から見にくいことや急な飛び出しが原因のようです。

交通事故で怖いのが、外傷性ショックや尿管が挫傷して数日後に容体が急変するような症例です。飼い主さんは、見た目にけががないために「大丈夫!」と判断して自宅で様子を見ることがたびたびあります。

最近の症例でも、骨盤が複雑骨折しているにも関わらず、比較的正常そうに歩行していました。おそらく小型犬で体重が軽かったためにそれほど患肢に負担がかかっていなかったのだろうと思います。それに加え非常におとなしいワンちゃんでしたので骨盤部分を触っても全く嫌がったりしませんでした。この子は受傷後、すぐに別の病院を受診したのですが、上記のようなことで外観上異常がなかったために「打撲」程度の診断を受けていたようです。しかし、受傷から翌日まで全くおしっこをしないということで当院へ受診されました。尿管の損傷はなかったのですが、骨盤骨折に加え神経にもダメージがあったのでしょう。処置後、すぐに排尿できるようになり数日後には骨盤骨折の手術を行うことができました。今は退院して元気で自宅療養中です。

飼い主さんは急な飛び出しなどしないようにしっかりリードを着用するようにしましょう!
ドライバーの皆さんは、死角や飛び出しに対処できるように安全運転で行きましょう!
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by pathovets | 2011-11-13 11:41 | ペット | Comments(0)

お産

私が受け持っている農家さんで牛のお産が多くなってきました。
牛は約10ヶ月の妊娠期間を経て分娩を迎えます。
農家のみなさんは、親牛の発情を見つけ、人工授精を行い妊娠が成立します。それから10ヶ月大切に育て、子牛の誕生を迎えるわけです。繁殖農家にとって分娩で子牛を死なせてしまうことは大きな経済的損失となります。ですから最大のイベントであり重要な時でもあります。

人と同じで分娩予定日はあるものの予定日通りに出産する牛は少なく多少の前後のずれがあります。そのため、農家の方は分娩が近くなると夜中の見回りが多くなります。そして、予定日を過ぎて何日もたってくると寝不足で大変な疲労が蓄積するようです。さらに予定日をあまり超過しすぎると胎児が大きく成長しすぎて難産になります。

私が受け持っている農家さんの多くは、心配な牛がいると「いつ頃が分娩予定日だから、頼むね!」「夜中でも電話するよ!」と事前に連絡をくれます。
そうなると私もいつ電話が来るのかと気になって気になって大変です。

難産の原因としては、胎児が大きくなりすぎて出ない、出てくるときの向きがおかしかったり、足や首を変な向きに曲げて引っかかっていたり・・・様々です。親牛の膣に腕を入れて手探りで胎児の大きさや足や頭を確認して正しい向きに整復して引っ張り出します。
なかなか正常な向きに戻らないものも多く、親牛には申し訳ないが長時間腕だけを突っ込んで汗だくで「格闘」します。
最近は、冷静に処置しているように農家さんには見えていると思います。たぶん・・・
開業当初は、心の中で
「獣医さんを呼んで!!!」       の心境でした。
以前、夜中に難産で呼ばれて無事分娩が終わり、牛舎でお茶を頂きながら「獣医さんを呼んで!!!」の話をしたら大爆笑でした!!!
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by pathovets | 2011-11-01 18:54 | Comments(0)