パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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国はこの事態を真剣に受け止めているのか???

 先日、赤松大臣が   「1日1万頭処分するように!」  と発言されたようです。過去にも色々な発言で物議をかもしております。私は殺処分で現場に入っている1人として

     ”半日でいいから長靴、防護服、ゴム手袋、帽子、マスクに被われた状態で作業を手伝ってみろ!”

と言いたい。はっきり言って「無理」です。限られた班員構成で1日に処理できる件数(頭数)は限度があります。さらに作業開始から既に1ヶ月が経過し作業に従事するものは大変な疲労が蓄積しています。作業中の事故だけで35件発生しています。これは比較的大きい事故で、打撲やねんざなどの小さい事故はもっと発生しているのです。

 最近、国の研究機関の方が現場に入り作業を体験されています。皆、一様に「結構不衛生な牛舎ですね」と言われます。この方々が訪れた牛舎について、臨床獣医の私からみれば比較的衛生管理は整った農家だと思います。牛舎ですから、当然、糞、尿が落ちていますし、天井や柱には多少のクモの巣もあります。ハエも飛んでいます。この人たちは「ヒトが住む家」みたいなところに飼われていると思っていたのかな~~~と思ってしまいました。 環境の問題について認識のずれはあっても現場の過酷さは実感できたと思います。

 今日の新聞に、ワクチン接種し殺処分対象の動物を生きたまま埋却場所まで移動して処分することが「特別措置」として認められたとありました。処理スピードがあがるだろうと期待されています。ワクチン接種動物はこれまで「感染動物」と同等の扱いをするということでした。それは、ワクチン接種しても感染しウィルスを排泄するためです。厄介なのはワクチン接種している分、症状が軽く感染に気付かずウィルスを排泄している可能性があります。国の作業効率を上げたい、農家の自分の牛舎での殺処分はつらい等の要望があってのようです。他にも大きな理由があるのかもしれませんが、私はこの措置に疑問と危機感を持っています。
 せっかく清浄化が確認されたえびの市の努力が無駄にならないことだけを祈るばかりです。
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# by pathovets | 2010-06-04 16:44 | 口蹄疫 | Comments(7)

携帯用ブログURL

携帯用ブログURLはありますか?とのご質問を受けました。

携帯用ブログ・・・そんなものがあるのね・・・
すいません。初めて知りました。

おそらくこれが携帯用ブログURLになると思います。

http://mblog.excite.co.jp/user/pathovets/

皆様、よろしくお願いします。

(クミコ記)
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# by pathovets | 2010-06-03 12:21 | Comments(2)

~~~指が~~~

 今日は処分を休みました。処分に行き始めたときは、休みなしでずっと行こうと思っていました。実際、現場へ行ってみるとあまりに過酷すぎてこれは毎日は無理だと思いました。
 行き始めた2、3日後に新聞社の記者の方と話をする機会がありました。その方が言うにはこのような災害派遣に出動した自衛隊員は72時間以上(つまり3日以上)の連続勤務はしないそうです。今回も災害派遣要請により陸上自衛隊から応援部隊が来ています。昨日もいっしょに仕事しました。このことを聞いてみようと思いましたが忘れていました。このような災害の現場で長期勤務することでPTSDになってしまうことが理由のようです。
 
 実際に私も精神的につらいので3~4日に1回休んでいます。私の場合は日当もなく怪我をしても何の保証もない単なるボランティアなので自分の体調管理は自分でしないと誰も責任をとってくれませんので・・・

 肉体的にも疲労感でいっぱいです。よく小さな子どもが日中一生懸命遊びすぎて夕飯の時に頭をコックリ、コックリさせながら寝てしまうことがありますが、今の私はそれにちかいものがあります。毎日風呂に入って、夕飯を食べるとどうしようもなく眠くなります。だからといって朝までずっと寝れるわけでもなく、数時間すると目が覚めて・・・という繰り返しです。でも、寝ている時間は熟睡できています。

 毎日の作業で何百本も注射をするため指が痛くてたまりません。筋肉痛なのか腱鞘炎なのか???
 1日が終わると疲労で指が真っすぐ伸ばせなくなるため片方の手で、1本1本ストレッチのように伸ばしてあげます。最近は女房に「お~い、お茶!」に加えて「おい、指たのむ!」が加わりました。今のところ、ぶつぶつ言いながらやってくれていますが・・・
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# by pathovets | 2010-06-02 14:16 | 口蹄疫 | Comments(3)

さみしいね・・・

 昨日も今日も往診でお世話になっている繁殖農家さんの所へ行きました。大変な事態にもかかわらず、2件とも農家の方が最初から最後まで立ち会って消毒などの後片付けまで手伝ってくれました。2件とも後継者が私と同じ30代です。   幸いにも再開の意思を示してくれています。
 私達処理班が農場に立ち入るときは当然ですが牛舎内にたくさん牛がおり自由に過ごしています。毎回のことですが、この数時間後には牛舎内から全てのものが消え去って建物だけとなります。

 皆さんは、殺処分しているときが一番つらいとお思いになると思いますが、処分の最中は怪我などの事故が起こらないように、牛を苦しめないように気を張って、色々なことに集中しているためにあまり感情が出ることはありません。あくまでも私の場合ですが・・・。
 私達獣医師は殺処分の担当ですからそれだけで良いのですが、他の方の担当である牛舎内の後片付けや消毒の作業も手伝っています。この時になると緊張感も解け、少しボーとする時間ができます。そんな時、空っぽになった牛舎を見ると数時間前までいたたくさんの牛たちの姿はもうありません。

               ===ガラーンとした牛舎===

この瞬間ほど悲しくて、寂しい時はありません。色々な想いが込上げて目には溢れんばかりの涙が・・・・。
昨日も処分後、牛舎を眺めていると  私の後ろから農家の方が「さみしいね・・・」とぽつり・・・。
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# by pathovets | 2010-06-01 21:14 | 口蹄疫 | Comments(2)

獣医師の倫理観

 今日も2つの農場に行ってきました。今日はとても暑くたいへんでした。
 県外から派遣された4名の獣医師の方と処分作業に当たりました。  ある1名の獣医師の方の行動が
私から見ると     少し倫理観にかける       ように感じました。
おもわず大声を出してしまいました。場の雰囲気を乱してしまいました、作業も中断しました、私自身の気分も悪くなりました、相手もきまずくなったと思います。
いつも以上に悲しい気分になってしまいました。
 後でこの方と話をしました。私たちは「牛という生き物を扱っていること」、さらには「命を絶っていること」を再確認しました。その上で、十分な専門知識とその倫理観を持っている獣医師だから許される行為であるということを納得していただきました。
せっかく県外から応援に来ていただいているのに大声出してごめんなさい。
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# by pathovets | 2010-05-30 21:29 | 口蹄疫 | Comments(8)