パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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口蹄疫の過酷な現場

 殺処分に関わるものとして実際の現場についてお知らせしたいと思います。これまで牛を治す立場だった私が、ある日突然発生した「口蹄疫」により自分の町の牛をすべて殺処分しなければならなくなりました。
 発生当初から県・町には病気の拡大防止のために色々と要望しましたが、何一つ聞き入れていただけないままあっという間に町内全域に広がってしまいました。発生当初より獣医師が病気を拡散しないように診療を中止するよう通達が出され、診療もできなくなり口蹄疫以外の病気の牛たちも犠牲になってしまいました。そんな悶々とした日々を送っておりましたが、県外から多くの獣医師の方が応援に来ていただき地元の獣医師が何もしないのは・・・と殺処分に参加することを決めました。農家の方のご苦労は多くのメディアで紹介されているとおりです。いやそれ以上でしょう。
 私は、実際に殺処分の現場に携わる立場、獣医師としての立場で皆さんに情報を発信していきたいと思います。処分に関わる関係者は作業内容により異なりますが基本的に防護服、ビニール手袋、マスク、帽子、人によってゴーグルを着用します。私はTシャツ、パンツの上に防護服とビニール手袋をそれぞれ2重に装着します。手袋がずれないように布テープで固定します。もちろん長靴を履きますがこれも汚染がないように防護服の裾の部分と布テープで固定します。マスクと帽子で作業準備が完了します。こんな状態ですので顔のほんの一部が露出するのみで個人の識別が困難なためスプレーやマジックで背中と胸に目印や名前を書きます。この状態で作業が開始されます。数分もすれば歩くだけでジワッと汗が出てきます。
 感染した農場は農場入り口附近で清浄区域と汚染区域に分けられています。一歩汚染区域に入ると基本的に作業が終了するまで外に出ることができません。作業が終わって着衣を全て脱ぐとTシャツとパンツは汗でびしょ濡れ、手袋には大量の汗が溜まり手はふやけてなかなか元に戻りません。
 また、明日も続きます。
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# by pathovets | 2010-05-27 16:41 | 口蹄疫 | Comments(0)