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パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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あれから1年

 あと数日で昨年の大惨事である口蹄疫から1年がたちます。とにかく早かった1年でした。東日本大震災ですっかり忘れ去られた感もありますが、様々な課題を残したまま復興も進まず今日を迎えました。

 この1年間畜産農家、行政、獣医師・・・何を考え過ごしたのでしょうか?

 それぞれに色々な思いの中、時間が過ぎたことと思います。
             その思いをどう活かしていくのか?
             今後の展望は?   

 なぜ、復興が進まないのか!
 よく聞かれるのが、「周辺諸国での口蹄疫の発生が復興を妨げている」というもの。しかし、畜産農家に聞くと必ずしもそうではない。

  再開のための資金不足
  後継者不足
  高齢化

 こんな声が良く聞こえてくる。

 一部ではあるが、ワクチンの使用方法(なぜマーカーワクチンを使用しているにもかかわらず殺処分を前提にしているのか)に納得ができないという意見も聞かれた。


これから農家の不安がどういう形で解消されるのか分からないが・・・、獣医師として出来ること、やらなければいけないことを淡々とやっていくほかないと思っている。
             
             
# by pathovets | 2011-04-14 19:17 | 口蹄疫

マイクロチップを装着しよう!

マイクロチップ???
 と思われる方も多いのではないでしょうか。

マイクロチップとは直径2mm、長さ13mmの強化ガラスに包まれた個体識別装置です。これを国際的に定められたルールにそって動物種ごとに特定の場所(皮膚の下)に埋め込むものです。

このマイクロチップには
      「世界で1つの固有の番号」
               が与えられています。ですから、この番号で個体識別が可能になるわけです。

「埋め込む」といっても大掛かりな処置ではありません。少し大きめの注射針の中に上記のマイクロチップが入れられており、普通に注射をする要領で皮下に押し出すだけです。ほとんど出血もなく治療での注射や予防注射となんら変わりなく動物もじっとしています。

これがなんで重要か・・・・。16年前の阪神・淡路大震災時には多くのペットが迷子になりました。今回の東日本大震災でも同じことが起っています。阪神淡路大震災以降、兵庫県や関西圏でのマイクロチップの装着率が非常に高くなったそうです。
こういった災害時以外でも、単一色(真っ白、真っ黒など)の個体の場合はなかなか客観的な個体識別ができません。悪質な例をあげれば、ドックショーに連れて行ってちょっとした隙に盗まれた!ということも聞いたことがあります。同じ犬種が多数集まっているので大きさや色が似かよって首輪やハーネスを変ええられたら判別が難しくなる例があるようです。

是非、この機会にマイクロチップを装着してみてはどうでしょうか?

当面、当院では装着料の一部を、今回の震災の義援金にあてることにしました。
# by pathovets | 2011-04-08 21:33 | ペット

プロ野球開催の意義は???

 この震災のさなかにセリーグは今シーズンをほぼ予定通り開催するらしい~。選手会や世間を気にしたのか、多少譲歩して当初の開催より遅らせはしたものの・・・。
 野球で被災者に勇気を!、元気を!というが、復興もままならず、まだ多くの方々が行方不明、遺体安置所の保管されている遺体も身元が分かっていない方が多くあると言う。

 現地が比較的落ち着きを取り戻して「本当の復興期」であればスポーツを通して!というのも理解できるが。一般市民や善良な企業が節電・節電と協力しているにも関わらず、

            一方で明々と電気を照らして野球か~~~

全く理解できない!野球も企業活動の一つだと思うが、某新聞社のWオーナーの独裁がまかり通るセリーグに疑問だ。

「あの方(W殿)」一人説得できない野球界、情けないぞ!!!

W、だれも意見できないほど偉いのかい?
# by pathovets | 2011-03-21 16:31 | トピック

いざ!と言うときの備え

 依然として災害地域での物資の不足が伝えられています。

当院に現地から避難して来た方が来院されました。3人家族(旦那さんがフランス人、奥さんは日本人、もうすぐ3歳の男の子でした)で被災後、東京の知人のところへ避難し、その数日後に宮崎の知人宅へ避難して来たそうです。数日以内に日本を出国しフランスへ戻りたいと言うことで、ペットの猫ちゃんの出国手続きに関して来院されました。宮崎県内でもかなり遠方から電車とタクシーを乗り継ぎ来院されました。

昨日、電話で事情を聞いていたのでフランス大使館等で出国に関する必要事項を事前に調べておきました。フランスはEU諸国統一の出国審査用の様式があります。それにしたがって準備が必要です。

1.マイクロチップの埋め込み
2.狂犬病のワクチン接種
  1月間隔で2回接種し、その後抗体検査が必要(EUが定める機関へ血液サンプルを送付し検査を依頼)
3.外部寄生虫の駆除(ノミ・ダニ)
4.エキノコックス症の駆除

上記を実施し英文証明書を発行します。2を除いてすぐに出来るのですが、2回接種しその後に検査・・・。今回は緊急事態ということでフランスが許可をするかどうか不明です。とりあえず1回接種し、すべての処置を行い証明書を作成し飼い主さんにお渡ししました。子どもの頬には新しい切り傷がありました。被災したときのものかどうか分かりませんが、出国の準備などで毎日ばたばたしているのだろう・・・と感じました。ご夫婦ともに疲れた様子でした。
御代はいくらですか?・・・と言われましたが、とても請求する気にもなれず微力ですが私からの支援として全ての処置と手続きをさせていただくことにしました。我が町は大変な田舎なので特急が止まらないため、妻が隣町の駅まで送り届けました。駅に着くまでに子どもは車の中で寝入っていたそうです。子どもも疲れがたまっているのだと思いました。
無事に猫ちゃんを含む家族全員出国できればと祈るばかりです。


当院では毎年1~2件海外への渡航のためにペットの渡航手続きを行います。少ないですがこれまでに数カ国の手続きを行いました。その中で一番問題になるのが、狂犬病のワクチンです。これまで経験した国の全てが上記のように2回接種し、その後抗体検査(しっかり免疫ができたかどうかの確認)です。抗体検査も日本の検査機関(国内に1箇所)で良いところもあるし、先方の指定する機関での検査を求めるところもあります。ほとんどの場合、出国日が決まってから出国の準備をするため「ペットには何が必要なんだろ?」と調べると上記のような1~3または4までの処置を求められます。狂犬病のワクチネーションと抗体検査が間に合わない!!!ということが多くあります。
海外への渡航予定がある方は、犬・猫については毎年狂犬病のワクチンをしっかり受けましょう!そうすれば約1月は時間短縮が出来ます。

もちろん蔓延防止のためにも渡航予定のない人も「犬」については受けてください!
# by pathovets | 2011-03-19 21:13 | 何でもコメント

みんなでがんばろう!

 東北での大地震に加え津波で大変な被害が広がっております。また、原発の損傷による被爆も懸念されております。被災者の方々にお見舞い申し上げますと共に、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。

口蹄疫の際には、全国からブログを通して励ましを頂きました。微力ながら、このブログを使い安否確認等ができるのであればコメント等でご使用ください。連絡手段として使っていただきたいと思います。電力などの関係で、被災地の方々の使用は限局的かもしれませんが・・・。
# by pathovets | 2011-03-15 11:54 | 何でもコメント