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パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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残念な飼い主さん

今日、診療時間がちょうど終わった時に「急患」ということで電話を受けました。子供さんの声で数日前から調子が悪く、何も食べないということでした。すぐに連れてきてもらうことにしました。
お父さんと中・高生くらいの子供さん2人が中型犬を連れて来られました。歩く気力もなく白目の部分が黄色くぐったり。血尿のようなおしっこをしているようでした。
血液検査とエコー検査をしている間、お父さんは子供たちに「もう寿命だ」「今朝、死んでいるかと思っていたけどまだ生きていた」「治療してもだめだ」「もうすぐ死んでしまう!」・・・何しに連れてきたのか?と思うようなことを連呼していました。さすがに子供たちも嫌気がさしたらしく親子喧嘩が勃発。
検査がすべて終わり、結局「フィラリア感染症の末期」の状態でした。皮肉にもお父さんが言われていたように手の施し様のない状態でした。残念な結果を説明している最中にもお父さんは「俺の言った通りだろ」と言わんばかりのドヤ顔、子供たちはすっかり肩を落として・・・
子供の教育にも悪いし、この犬も大変な人に飼われてかわいそうでした。
田舎の人間だからそうなのか?  あの年代の人だからそうなのか?  色々と考えさせられました。
それにしてもフィラリアに関しては、いい薬がたくさん出て、予防すればほぼ100%感染予防できるのに年間何匹の犬が今日のような状態で来院するのか!まだまだ、当院の啓蒙活動は足りないようです。反省・・・
by pathovets | 2013-04-17 22:13 | ペット