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パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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2010年 06月 04日 ( 1 )

国はこの事態を真剣に受け止めているのか???

 先日、赤松大臣が   「1日1万頭処分するように!」  と発言されたようです。過去にも色々な発言で物議をかもしております。私は殺処分で現場に入っている1人として

     ”半日でいいから長靴、防護服、ゴム手袋、帽子、マスクに被われた状態で作業を手伝ってみろ!”

と言いたい。はっきり言って「無理」です。限られた班員構成で1日に処理できる件数(頭数)は限度があります。さらに作業開始から既に1ヶ月が経過し作業に従事するものは大変な疲労が蓄積しています。作業中の事故だけで35件発生しています。これは比較的大きい事故で、打撲やねんざなどの小さい事故はもっと発生しているのです。

 最近、国の研究機関の方が現場に入り作業を体験されています。皆、一様に「結構不衛生な牛舎ですね」と言われます。この方々が訪れた牛舎について、臨床獣医の私からみれば比較的衛生管理は整った農家だと思います。牛舎ですから、当然、糞、尿が落ちていますし、天井や柱には多少のクモの巣もあります。ハエも飛んでいます。この人たちは「ヒトが住む家」みたいなところに飼われていると思っていたのかな~~~と思ってしまいました。 環境の問題について認識のずれはあっても現場の過酷さは実感できたと思います。

 今日の新聞に、ワクチン接種し殺処分対象の動物を生きたまま埋却場所まで移動して処分することが「特別措置」として認められたとありました。処理スピードがあがるだろうと期待されています。ワクチン接種動物はこれまで「感染動物」と同等の扱いをするということでした。それは、ワクチン接種しても感染しウィルスを排泄するためです。厄介なのはワクチン接種している分、症状が軽く感染に気付かずウィルスを排泄している可能性があります。国の作業効率を上げたい、農家の自分の牛舎での殺処分はつらい等の要望があってのようです。他にも大きな理由があるのかもしれませんが、私はこの措置に疑問と危機感を持っています。
 せっかく清浄化が確認されたえびの市の努力が無駄にならないことだけを祈るばかりです。
by pathovets | 2010-06-04 16:44 | 口蹄疫 | Comments(7)