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パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町

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2010年 06月 08日 ( 2 )

受難のツバメたち

 連日、作業に出てふっと感じたことがあります。
この時期、ツバメたちが家の軒先や牛舎の梁などに巣作りをしていたり、すでに”りっぱなマイホーム”を完成させ卵を産んで抱卵している鳥たちがいます。

しかし、私達の殺処分の作業が終わると清掃・消毒の作業となります。このときは、牛舎の隅々まで清掃を行います。そして、天井も含め念入りに消毒剤が散布されます。さらに壁や床には石灰がこれでもか!というほど撒かれます。

消毒剤の散布はツバメたちの”マイホーム”にも及びます。何事か!と驚いた鳥たちは巣の近くを飛び回りながら警戒しています。この後、建築途中のマイホームを造り続けるのか?卵を抱きつつけるのか?

不安にかられながら私たちは現場を後にします。
by pathovets | 2010-06-08 20:25 | Comments(1)

埋却地を用意するということ

口蹄疫感染家畜の所有者は、遅滞なく当該家畜の殺処分・埋却を行わなければならない。

現実的には、県・国がある程度の協力をしてくれます。
特にワクチン接種個体については、自治体ごとに共同埋却地などの準備が進められているようです。

とはいえ、発生農家では埋却地の用意は基本的に所有者が主体。
これはとても大変な作業だと思います。
農家さんによって飼養頭数にはかなりの開きがありますが、まず所定の広さの土地を確保しなければなりません。特に養豚農家さんは飼料用草地などがなく、土地の確保に苦慮することが多いと聞きました。

そして、自前の土地を使う場合、もしくは土地を購入することができた場合、次に地元住民の同意を得なければなりません。
自分の土地といっても、自宅から離れた場所に埋却用の土地があり、その周囲が他人の生活圏内であったりすることもあります。
家はないものの、他の農家さんの畑が隣接していたり等々、とにかくたくさんの人に頭を下げなければなりません。
口蹄疫が発生してしまった農家さんでは、落ち込む暇もなく「早く土地を用意して処分しないと、周りに迷惑がかかる」と周囲に気を遣う方がほとんどです。
それなのに発生当初、今のように一般市民の理解が得られるようになるまでは、被害者の発生農家さん宅に心無い電話があった、という話もきいていました。
「ここしか使える土地がない。ここに埋めさせてほしい」と頭を下げられる周辺住民も大変です。
本当はいやと言いたい、という状況も多いと思います。
それでも、事は急を要する問題。もうどうしようもないので、農家さんは泣いて頭を下げられます。
とてもいやとは言えない状況だと思います。
川南町はもともと畜産の町であり、また歴史的に多くのよそ者を受け入れてきた開拓の町でもあるためか、概して寛容な方が多いと思います。
大変な悪臭が発生することもわかっている、将来にわたってこの土地がどのように変化していくのか誰もわからない。それでも、いいよと受け入れます。
その裏には、こういう事態でなければ起こる必要のない住民同士の確執も生まれているのかもしれませんが。

お隣の高鍋町は宮崎県内で最も面積が狭い割に人口密度の高い、ちょっとした地方都市的な雰囲気の町です。
そういう土地柄であるためか、なかなか周辺住民の同意が得られず、土地の確保が進まないようです。

お辞めになった後にあれこれ言うべきではないのかもしれませんが、赤松前農林水産大臣が「隠してないで早く土地を出せ」と言ったとかなんとか。真偽のほどは定かではありません。
デマであってほしいと願うとともに、国と宮崎県と各自治体と、より一層の相互協力をお願いしたいです。

(クミコ記)
by pathovets | 2010-06-08 12:32 | 口蹄疫 | Comments(4)